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中国における発明特許の出願件数初めて100万件の大台を突破

中国国家知識産権局(以下、「SIPO」という)は1月14日、中国における2015年の発明特許の出願、登録件数及びほその他の関連データを発表した。具体的2015年の関連データは以下のとおり。

SIPOが受理した発明特許出願件数は、前年比18.7%増の110万2000件に達し、5年連続で世界1位をキープした。発明特許登録件数は35万9000件に達し、そのうち、中国国内の発明特許登録件数は前年比61.9%増の26万3000件で、前年より約10万件増加した。中国国内の発明特許登録件数のうち、職務発明が全体の90.9%にあたる23万9000件で、非職務発明は9.1%にあたる2万4000件であった。

中国における発明特許登録件数のトップ10の省(自治区、直轄市)(香港、マカオ、台湾を除く)は、1位から順に江蘇(36,015件)、北京(35,308件)、広東(33,477件)、浙江(23,345件)、上海(17,601件)、山東(16,881件)、安徽(11,180件)、四川(9,105件)、湖北(7,766件)、陝西(6,812件)であった。

また、中国における発明特許登録件数ランキングのトップ10に並ぶ中国(香港、マカオ、台湾を除く)企業は、1位が中国石油化工股份有限公司(2,844件)で、以下順に中興通訊股份有限公司(2,673件)、華為技術有限公司(2,413件)、国家電網公司(2,081件)、京東方科技グループ股份有限公司(1,115件)、深セン市華星光電技術有限公司(728件)、中国石油天然気股份有限公司(641件)、中聯重科股份有限公司(596件)、テンセント(深セン)有限公司(581件)、比亜迪股份有限公司(509件)であった。

さらに、昨年末までに、中国国内(香港、マカオ、台湾を除く)の有効発明特許保有件数は87万2000件に達し、そのうちトップ10の省(自治区、直轄市)は、1位から順に広東(138,878件)、北京(133,040件)、江蘇(113,160件)、浙江(70,981件)、上海(69,982件)、山東(47,694件)、四川(28,723件)、安徽(26,075件)、湖北(24,998件)、遼寧(23,242件)であった。

SIPOが受理した『特許協力条約』(PCT)国際特許出願件数は前年比16.7%増の3万548件に達し、その93%にあたる2万8399件は中国国内からの出願で、前年比で18.3%増加し、残りの7%にあたる2149件は海外からの出願で、前年比で0.6%減少した。昨年、PCT国際特許出願件数が100件を超えた省(自治区、直轄市)は16に達しており、トップは広東省の1万5190件で、以下2位から5位は北京、江蘇、上海、浙江で、トップ5が全体の85%近くを占めた。

その他、SIPOは、特許代理機構の設立の審査手続きの合理化を推し進め、審査手続きを取消した。昨年だけで、新たに138社の特許代理機構が設立を許可され、全国における特許代理機構数は1200社に達した。また、全国の弁理士資格試験はコンピュター化改革を実現させ、当該試験合格者は4777名に上り、執業弁理士は1万2000名を突破した。

全国における特許行政法執行事件は前年比46.4%増の3万5844件に達した。そのうち、特許権紛争事件が前年比77.7%増の1万4607件(特許権侵害紛争事件1万4202件を含む)で、特許詐称事件が前年比30.6%増の2万1237件であった。

特許審判委員会が受理した不服審判請求事件は1万2678件で、無効審判請求事件は3724件であった。また、結審された不服審判請求事件と無効審判請求事件は、それぞれ2万5756件と3652件であった。

昨年中国における発明特許の主な特徴

① 発明特許の年間出願件数が初めて100万件の大台を突破した。中国における発明特許出願受理件数は安定成長し、増加率は20%近くに達し、110万2000件に達した。発明特許の出願件数は、3種類の特許(発明・実用新案・意匠)の総出願件数の39.4%を占め、その急速な増加は、中国のイノベーション能力の向上を如実に表しているといえる。また、発明特許の登録件数は35万9000件で、うち中国国内からものは26万3000件であった。発明特許の登録件数の急増は、中国におけるイノベーションレベルが向上し、特許審査能力が目覚めしく強化されていることを示している。

② 1万人当たりの特許保有件数は6件を超えた。昨年末までに、中国の1万人当たりの
発明特許保有件数は6.3件に達し、「第12次5ヵ年計画」の目標を順調に達成した。有効発明特許のうち、中国国内のものは全体の60%以上の87万2000件で、内国人による発明特許の優勢が明らかである。しかしながら、有効発明特許の平均維持期間は、中国国内の特許が6.0年であるのに対して、外国の特許では9.4年である。また、有効発明特許の明細書の頁数及び請求項数から見れば、中国国内のはそれぞれ平均が7.3頁、7.8項であるのに対して、外国からのはそれぞれ平均18.5頁、17.4項であったことからも、まだ中国国内からの発明特許は外国のものと比較すると、その質的レベルの差が明らかである。

③ 知的財産権創造の主体として企業の地位が引き続き安定していた。中国企業からの発明特許出願件数は58万3000件に達し、国内からの出願件数の60.2%を占めた。中国企業の発明特許の登録件数は、前年比4.1%増の15万9000件に達し、国内の登録件数の60.5%を占めた。企業は市場主体として、自主イノベーションにおいて決定的な役割を発揮した。

④一部の技術分野における特許の集中度には、依然として外国と隔たりがある。世界知的所有権機関(WIPO)により区分される35の技術分野のうち、前年より6分野多い28の技術分野において中国国内の発明特許保有件数が外国からの特許保有件数より多くなった。しかし、光学、エンジン、運輸、半導体、基礎通信プログラム、映像技術及び医学技術などの7分野では外国にまだ多きな差をつけられている。特に、光学とエンジン分野において、外国の特許保有件数は中国国内の保有件数のそれぞれの1.6倍と1.5倍であった。10年以上維持されている有効特許発明の保有件数は、外国の保有件数は中国の2.2倍で、運輸分野では6.4倍に達している。そのため、中国は一部の技術分野の特許の集中度を強化させることが急務である。

日時:2016年1月14日
情報ソース:中国国家知識産権局